事業承継税制について
平成30年度の税制改正で、10年間の期間限定の特例措置として「法人版事業承継税制の特例」が創設されました。
事業承継スキームを検討する上で、避けられない論点となっております。
事業承継税制とは、
一定の要件を満たした場合、後継者が贈与又は相続などで取得した非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税を猶予し、その後、先代経営者の死亡などで猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度です。
相続税のケース
適用要件(主なもの)
会社 ・中小企業である。
・上場会社等・風俗営業会社に該当しない。
・資産管理会社に該当しない(一定の要件を満たす場合を除く)。
後継者 ・相続開始直前に役員であり、相続開始から5か月後に代表者である。
・相続時に後継者とその親族などで総議決権の50%を保有している。
・後継者とその親族等の中で最も多く議決権議決権を有している(後継者が1人の場合)。
・各後継者が総議決権の10%以上を有し、かつ後継者とその親族等の中で最も多く議決権を有している(後継者が2~3人の場合)。
先代経営者・代表権を有していた。
・相続開始直前において、被相続人及び被相続人と特別の関係がある者で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、後継者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権を保有していたこと。
手続き
- 特例承継計画の策定(会社が作成し、認定経営革新等支援機関が所見を記載)
- 特例承継計画の確認申請(提出期限2024年3月31日)
- 相続等の発生(相続後でも、認定申請時までは特例承継計画を提出する事が可能)
- 経営円滑化法の認定申請(相続開始後8カ月以内に申請)
- 知事による認定
- 申告期限後5年間にわたり年次報告書を提出
- 6年目以降は継続届出書を提出(3年に1度、基準日の翌日から3月を経過する日まで)
適用しやすい法人、しにくい法人
相続税猶予の場合
1代目から2代目への相続税の猶予が免除になる為には、3代目へ贈与又は相続により株式が承継された時です。すでに3代目となる方が入社されている等、株式承継に目途が立っている場合は良いと思いますが、まだ3代目となる方がいない又はいてもまだ年齢が小さい場合には、株式が承継されなかった時点で納税猶予額を納付しないといけない為、なかなか判断が難しいと思われます。
いつ時点の評価額なのか
次回、贈与税の納税猶予を取り上げますが、その特例贈与を受けている場合、株式の価額はその贈与時の価額で計算しますが、特例贈与を受けていない場合は相続時の価額となります。
今回は特例事業承継税制の相続税の納税猶予を簡単にまとめてみました。
次回、特例事業承継税制の贈与税の納税猶予を取り上げてみたいと思います。
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