消費税インボイス制度に関する実態調査
来年10月から導入される消費税の「インボイス制度」について、日本商工会議所は「消費税インボイス制度に関する実態調査」について発表しました。
この実態調査は、各地商工会議所の会員企業に今年5月23日から6月23日までの期間にヒアリング調査(回答事業者数3771者)を実施して取りまとめたもので、制度適用に必要な適格請求書(インボイス)発行事業者の登録申請を行った事業者はわずか1割となっていることが明らかになりました。
インボイス制度導入に向けての準備状況は、「特段の準備を行っていない」事業者の割合が全体の4割を超えており、「請求書等発行システムや経理・受発注システムの入替・改修等を行っている」事業者はわずか7.0%となっています。特に、「特段の準備を行っていない」事業者のうち、売上高1千万円以下の事業者では60.5%にのぼり、小規模な事業者ほど準備が進んでいない実態が判明しました。
インボイス発行事業者の登録申請状況
・登録申請した・・・10.5%(内売上高1千万円以下の事業者1.6%)
・申請する予定・・・31.7%
・登録申請を行うか検討中・・・15.6%
・取引先から要請があれば検討する・・・16.3%
・登録申請は行わない・・・11.7%、
・制度内容を理解しておらず、検討していない・・・14.3%
インボイス制度導入に向けた課題について
・制度が複雑でよく分からない
・発行する請求書等の様式変更
・仕入先がインボイス発行事業者かの確認
・システムの入替・改修コスト
・消費税を納税しなければならなくなる等
インボイス制度導入後の対応予定(課税事業者における免税事業者との取引)
・まだわからない・・・54.6%
・取引を行うかどうかの判断はしない・・・14.1%
・経過措置の間は取引を行う・・・13.7%
・免税事業者との取引は行わない・・・8.9%
・一部を除いて取引は行わない・・・5.8%
・その他・・・2.9%
となっており、約3割の事業者が免税事業者との取引を見直す意向を示しています。また、そのうち約65%の課税事業者が取引先の免税事業者に対し、「インボイス発行事業者になるように要請する」と回答しています。
免税事業者が課税転換する際の課題等
・消費税負担により資金繰りが厳しくなる
・消費税分の価格転嫁が難しく、利益が減少する
・請求書の様式変更等の事務負担に対応できない
・そもそも消費税制度を理解していない
・消費税申告等の手続きに対応できない等
上記のような調査結果を目の当たりにしますと、まだまだインボイス制度が周知されていないように感じます。インボイス制度は取引先との調整や請求書のフォーマット変更など、事前準備も必要で、申請が遅れると制度開始までに混乱が生じる恐れもあります。
弊社でも顧問先様がインボイス制度にスムーズに対応できるようサポートしていきたいと思います。
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参考:日本・東京商工会議所 「消費税インボイス制度に関する実態調査」
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