令和3年3月17日、事業再構築補助金の支援の対象を明確化するための「事業再構築」の定義等について示された
事業再構築指針が経済産業省より発表されました。
事業再構築補助金の概要については、
をご覧ください。
事業再構築の定義
今回公表された 事業再構築の定義としては、
①新分野展開…新たな製品等で新たな市場に進出する
②事業転換…主な「事業」を転換する
③業種転換…主な「業種」を転換する
④業態転換…製造方法等を転換する
⑤事業再編…事業再編を通じて新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行う
の5つを指し、これらのいずれかの類型に該当する必要があります。
要件について
さらに各要件として、
①新分野展開→製品等の新規性要件、市場の新規性要件、売上高10%要件
②事業転換→製品等の新規性要件、市場の新規性要件、売上高構成比要件
③業種転換→製品等の新規性要件、市場の新規性要件、売上高構成比要件
④業態転換→(製造業)製造方法等の新規性要件、製品の新規性要件、売上高10%要件
(製造業以外)製造方法等の新規性要件、設備撤去等又はデジタル活用要件、売上高10%要件
⑤事業再編→組織再編要件、その他の事業再構築要件
となっております。
(要件の概要)
・製品等の新規性要件…①過去に製造等した実績がないこと、②製造等に用いる主要な設備を変更すること、③競合他社の多くが既に製造等している
製品等ではないこと、④定量的に性能又は効能が異なること、の4つすべてを満たすこと
・市場の新規性要件…①既存製品等と新製品等の代替性が低いこと、②既存製品等と新製品等の顧客層が異なること(任意要件)
・売上高10%要件…新たな製品等の(又は製造方法等の)売上高が総売上高の10%以上となること
・売上高構成比要件…新たな製品等の属する事業(又は業種)が売上高構成比の最も高い事業(又は業種)となること
・製造方法等の新規性要件…①過去に同じ方法で製造等していた実績がないこと、
②新たな製造方法等に用いる主要な設備を変更すること
③競合他社の多くが既に製品等を製造等するのに用いている製造方法等ではないこと
④定量的に性能又は効能が異なること
の4つすべてを満たすこと
・設備撤去等又はデジタル活用要件…既存の設備の撤去や既存の店舗の縮小等を伴うもの又は非対面化、無人化・省人化、自動化、最適化等に
資するデジタル技術の活用を伴うものであること
・組織再編要件…「合併」、「会社分割」、「株式交換」、「株式移転」、「事業譲渡」等を行うこと
・その他の事業再構築要件…「新分野展開」、「事業転換」、「業種転換」又は「業態転換」のいずれかを行うこと
事業再構築の定義の明確にするものとして、今回指針が発表されたわけですが、
読み解くのも難しいような複雑な要件が並んでいて、曖昧な表現も多い内容で、ハードルは高いように感じました。
これが申請に当たっての最低条件となるので、
これらに該当し、公募要項(未公表)の要件を満たさなければ申請さえできないというかなり厳しい要件になっています。
また、今回は補助金の支払のタイミングが約1年後であったり、事業再構築を予定していても補助対象にならない費用があったり、
補助金を受けた後も、経営状況等について5年間年次報告が必要であったり、厳格に管理されるようです。
これを機に、やりたかった新しい事業展開へ取り組むタイミングとしてはよいかとは思いましたが、
補助金をもらうために、指針に合わせてリスクを高めて取り組みを拡大するということは慎重になるべきだと思います。
しかし、これをうまく活用して、ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応していく取り組みを
みなさんにご提案できればと思います。
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