2021年5月14日付で「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会」における議論のとりまとめが公表されました。
「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会」における議論のとりまとめ
ようやくまとまりましたが、個人的にはそれほど目新しい印象はありません。
基本的には想定通りといったところでしょうか?
社会福祉連携推進法人については、大きく以下の目的のために設置されます。
①社員の社会福祉に係る業務の連携を推進し
②地域における良質かつ適切な福祉サービスを提供するとともに、
③社会福祉法人の経営基盤の強化に資すること
個人的には、規模の小さな法人を含めて地域を面として福祉のサービスを継続的に提供するための組織です。
(現在の社協と大きな意味では、変わりないと思っています。もう少し実務まで入ってくるイメージでしょうか)
具体的には以下の業務が想定されています。
①地域福祉支援業務
②災害時支援業務
③経営支援業務
④貸付業務
⑤人材確保等業務
⑥物資等供給業務
個人的には、⑥物資等供給業務が最初の段階ではメインとなると思っています。
要は、大規模取引による単価の削減です。
価格交渉力の低い(取引量が少ない)法人でも、社会福祉連携推進法人に加盟することで、
社会福祉連携推進法人として紙おむつやマスク等の物資の一括調達や給食の供給を行うことができるようになり、
結果として、単価削減につながると考えられます。
この点においては、すでに大規模法人は実施しておりますので、大規模法人化というトレンドからすれば、一致する考えかと思います。
非常に難しいのは、一番大切なんですが、③経営支援業務④貸付業務⑤人材確保等業務だと思います。
なにせ、同一地域で、同じ事業を展開するいわばライバルなんです。
隣の経営が順調になれば、自法人の経営を脅かす可能性がありますし、他法人のために自法人が貯めたお金を貸すとも思えないし
人材確保についても全国どの地域でも困っているので、取り合いをしているような状況です。(非常に転職も多いですし)
一般的な経営支援の研修会を行うことはできても、単独の法人の経営支援になるとやはり個別契約が必要になると思います。
と考えると、やはり合併の前段階としての緩やかな協業と考えます。
私が関与している法人やその近隣でもすでに合併、経営の交代などは、毎年のように話が上がってきています。
形にならないまでも、金融機関から話が来ている場合や内輪でそのような場合はどうするか?などといった話は絶えません。
介護・障害事業に関しては、一般の事業会社と異なり、売り上げの単価は制度で決められていますし、
受け入れられる人数も施設規模や人数規模によって最初から決められています。
とすれば、やるべきことは、稼働率を上げる(売上を上げる)ことと経費を見直す(経費を下げる)ことと
継続的に発展するために、投資する(ヒト、モノ、情報)ことに集約されます。
どこから手を付ければいいかという法人が多いと思います。
稼働率をあげようにも人がいないから、これ以上受け入れられない。
経費を削減したいので、外部のサポートを得られない。
お金が減っているので、追加投資できない。
などなど。
個人的には、経費の削減(固定費の見直し)は必須かと思います。
そこで働いている方にはなかなか見分けることが難しいのですが、
外から見ると「なんでこんな取引してるの?」や「なんで紙でやってるの?」といった業務が非常に多いです。
電気代にしても、コピー機にしても、エアコンにしても、ネットで検索すれば、削減コンサルみたいなところはたくさん出てきます。
疑うことは確かに大事ですが、何もしないことの方が怖い気がします。
黙ってても、お金が貯まっていく状況ではありませんし、現在はコロナ禍にあります。
国や地方公共団体の大量のお金が流出しています。
これからの税金や社会保障は大きく変えざるを得ないと感じます。
ともあれ、地域で主導するのは、やはり社協もしくは、地域で一番大きな法人だと思います。
WAMで経営状況の公開はされてますので、最低でも同一地区の社会福祉法人がどんな状況にあるのかは把握しておくべきかと思います。
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