社会福祉連携推進法人の設立はどこまで進むのか?

社会福祉連携推進法人のメリットやデメリット

2022年4月に設立が出来るようになった社会福祉連携推進法人ですが、2022年11月時点で現在4法人となっております。

 

制度としては、社会福祉法人を含む福祉を中心としたグループ法人化のような意味合いであり、

個別の法人は個別に経営を進めながら、一般社団法人(行政の認定により社会福祉連携推進法人になります)を中核として、

本部機能、購買機能などを統一化させることで、合併以外の経営の共同化を進めるような意味合いのものになります。

 

特に小規模法人などの購買量が少なく購買力の少ないところからすると大規模ロットでの取引が可能となり、単価の押し下げに寄与する可能性が高いため、

一定のメリットはあるのではないか?と感じております。

また、順調に経営をしている社会福祉法人の経営方法などを注入することで、より健全な経営につながる可能性も高いと考えております。

 

一方で、思っていたほど進んでいない社会福祉連携推進法人には、実務上の懸念や問題もあるように感じます。

 

実務上の懸念点や問題点

まず1つ目は、社会福祉法人間がそれほど他の社会福祉法人のことを知らないという実態があるように感じます。

すぐ近くに社会福祉法人があるのは知っているし、理事長や施設については知っているけど、中身のことはさっぱりわからない。という話をよく聞きます。

顔は合わせるけど、あまり話をしたことがないなど、ライバルではあるもののそれほど調査も行われていないのが実情です。

 

例えば、飲食店でいえば、他社がどんなメニューを出しているのか、どんな味なのか、店員さんの対応はどんな感じなのかなど、自社と他社の違いを見つけて

どうすれば自社が優位に経営を進めることができるのかを調査するのは比較的多い気がしますが、それが行われていないのが社会福祉法人です。

 

また、2つ目として、社会福祉連携推進法人に参加することが、いずれは合併を見越した連携ではないのか?と感じてしまうケースです。

あくまでも私見ではありますが、私自身は十分その可能性を含んだ制度だと考えています。

 

これから先は、後継者不足による理事長のなり手が不足する時代も十分に考えられます。

また、経営悪化により自主再建が困難になる法人も多く出てくると思います。

過去数年前より全体の1/4~1/3は赤字と言われており、過去の財産を食いつぶして言っている法人はそれほど珍しくない状況ですので、

最終的にはどこか大きな法人に引き取ってもらわないと経営続けられなくなることは十分考えられます。

 

一方で、いずれはそうなる可能性があったとしても、まだそのレベルまで至っていない法人が、いずれは取り込まれる可能性がある連携推進法人に参加することに、なかなか二の足を踏むのもわからなくもありません。

 

社会福祉法人の理事長とお話させて頂いた際にも、

参加を検討している社会福祉法人の理事会で、これは先々合併することが決まっているのか?という質問が上がり

結果として参加の見送りの方向性で進んでいるようだ。との話がありました。

役員の方々も法人のことを考えてのご意見だとは思いますが、これからはもっと地域としてどうすべきかという視点も持ち合わせなければいけなくなるのではなかろうかと感じております。

 

検討会のころから、国はずっと大規模化・協同化について、説明してきていますし、急に湧いて出てきた話ではないと思います。

 

単体経営と合併の中間的な意味合いになるかと思いますが、政策的には推し進められていくものなのだろうと認識しています。

 

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